私の上を通り過ぎていったインド人たち【2】

エッセイ

ミスター・チャパティ

チャパティ

彼は海をみたことがない。
でもそんなことはどうでもいいことだ。
毎日この場所で焼き続けているチャパティが彼にとっての海なのだ。

そもそも彼は海という単語を知らない。
私もチャパティやロティという単語を知らなかった。
彼にとっての海がチャパティであるように、私にとってのチャパティが海かといえばそうではない。
そんな因果関係などない。
彼はチャパティについてことさら語りはしないだろう。
チャパティはすでに彼の一部だからだ。
語る必要もなく私の一部であるもの、そんなもの私にはまだない。

彼のチャパティのようなものが、いつか私にも見つかるだろうか。
それはまだわからない。

わかることは、彼が、私が出会ったインド人の中で群を抜いてセクシーだったということだけ。
日がなチャパティを焼いて鍛えあげられた肉体をあいまいに包むタンクトップ。
オレンジのタイダイ染めのターバンがこんなにも似合う男は見たことがない。
そして脊髄を射抜くようなあの眼光。

脊髄を射抜かれて下半身の震えが止まらなくなった私はチャパティを買って食べた。
潮の味がした。

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