第4節「愛と青春の秋田」
秋田のサッカーには凄みがあります。そして監督が面白い。無骨で一本気な漁師みたい。これぞ雪国、なチーム。好きだなぁ
試合の背景
- 秋田ホーム・ソユースタジアム
- 日曜13:00キックオフ。雨
- 新潟はここまで3引き分け、秋田は1勝2敗、ともに勝点3
試合ダイジェスト
【前半】
雨でピッチコンディションは悪い。ボールが走らない。ロングボール主体の秋田が優勢。アルビ陣内で肉弾戦の様相を呈すが、ゴール前で決定機がなかなか作れず、0-0で折り返し。
【後半】
状況が整理されたか、新潟が少し盛り返す。が、70分過ぎに秋田が先制ゴール。途中出場の二人、武 颯→吉田 伊吹のコンビ。新潟のGK小島がかわされそのままゴールに流し込まれる。新潟は終盤気力を見せるが、ゴールが遠く、0-1で試合終了。
雨…
ブラウブリッツ秋田はホーム開幕戦とのことで、かなり気合入ってる。
そしてこの雨。しとしとしとしと振り続けて、ソユースタジアムのピッチを濡らしに濡らした。
秋田の気合は、このピッチコンディションに掛け合わされると相乗効果を生み出す可能性を孕んでいる。
そしてアルビの「ボールを愛する」サッカーは、雨と決して相性が良くない。
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アルビはスタメンを微調整。右SBとCFが前節と変わった。
GK小島享介。DF長谷川巧、千葉和彦、舞行龍ジェームズ、堀米悠斗。MF高宇洋、伊藤涼太郎、高木善朗。FWイッペイシノヅカ、本間至恩、谷口海斗。
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やっぱり試合はそういう展開に。特に前半は秋田が生き生きしていた。
あくまで「アルビ陣内でサッカーしよう」という共通意識。ボールを早めに前(アルビ陣内)に持ってきて、肉弾戦をしかける。そして一旦押し込んだら、意地でもボールを運ばせない、逃さない、という気迫。
球際は魂。いや、どのチームでも球際は重要視しているんだけど、秋田にとっての球際は、ほんとうに魂。燃える闘魂。
アルビはボールが運べない。
いつもなら何ということはない、CBからアンカーの高につける短いパス、こういうのでさえとても気を遣う。そしてどうしてもボールが足につかない。
秋田は割り切ってるから、中盤を飛ばす。一気に前線へ持ってくる。「中盤を飛ばしてボールが来るぞ」が、秋田の前線の選手も分かってるから、早めに前でスタンバイしてる。で、アルビのDFと競り合う。90分続くんだな、これが。
前半終了時、森高千里が脳内に再生された
「雨は冷たいけど 濡れていたいの 思い出も涙も 流すから」
ブラウブリッツ秋田は雪国のチーム
後半、やられた。ピッチコンディションを逆手にとった、秋田の一瞬の攻撃。
ぬかるみでボールが止まることを見越した武颯のスルーパス、信じて抜け出した吉田伊吹。アルビのGKは小島は目測を誤り、中途半端にゴールマウスを空ける格好に。吉田が小島を置き去りにし、流し込んだボールは、ゴールの逆スミに転がっていった。
歓喜の秋田。アルビはその後猛攻を仕掛け…たいはずなんだけど、いまひとつ迫力が出ない。
前線3枚は、真ん中に矢村健、右に三戸俊介、左に本間至恩。みんな小柄…ついでにインサイドハーフの高木と伊藤涼太郎も小柄。サイズのあるイッペイ・シノヅカと谷口は、ピッチを去っていた。
これだとパワープレーは難しい(もとよりアルビにその発想はないけど)から、地上戦で地道に行くしかない。だけどピッチコンディションが難しい… 本間至恩の単独切り込みだけが少し可能性を感じる。
得意の展開に持ち込んだ秋田に守りきられ、0-1で今季初黒星。
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ブラウブリッツ秋田は本当にいいチームだな。応援したくなる。みんなたたかってる。自分のためというより、チームのためにたたかってる感じがする。
そういうチームをつくった吉田謙監督は、やっぱりすごい。
ともすれば「アンチ・フットボール」と揶揄されそうなサッカーで、ここまでチームの団結力を高めて、結果を出している。
欧州ではディエゴ・シメオネのアトレティコ・マドリーに近い。シメオネにも吉田監督にも、「誰に何を言われようが関係ない」という信念を感じる。
雪国秋田にこういうチームがあることが、Jリーグを面白くしている。
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読ませるね!
プロみたいな文章
うほ。
甲元さんにそう言ってもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです〜!