第20節「河田篤秀の思い出」
夏が終わって秋になり、暑さも和らいできた。今節からJリーグは昼間の試合、デーゲームがスタート。
4連休初日、秋晴れのビッグスワンで14:00キックオフ。観客の5,000人制限も解除された。
絶好のサッカー日和。やるほうも観る方も気持ちいいだろうなあ。
ビッグスワンでビール呑みながら観たい。いや、観よう。それがサッカーの正しい楽しみ方なはずだ。
やりたいこと似てる
徳島ヴォルティスのスペイン人監督リカルド・ロドリゲスは就任4年目。徳島のサッカーを少しずつ、着実に向上させているイメージ。
怪我のため若くして選手から指導者に転向しただけあって、理論家なのだろう。
われらがアルビレックス新潟のアルベルト監督もスペイン人の理論家。サッカーの指向性も通じるものがありそう。
で、実際にそうなった。新潟も徳島もホールを大事にするところは同じで、細部の詰め方も似てるような気がした。
新潟は確立した感のあるいつもの4-4-2。
GK小島、DF新井、マウロ、舞行龍ジェームズ、萩原。ボランチに島田と福田。右MFに中島、左に本間。2トップに今日は渡邉と鄭大世が入った。
前半は比較的アルビペースだったように思う。プレスのかけどころがハマってた感じ。各選手の力の使い所が決まっててスムース。ボール回しも、後ろでゆったりと、前の様子を伺いながら、安定感のある回し方だった。
前に急ぎすぎないサッカーは個人的に好きだ。攻めに迫力がない、という反対意見も出そうだが。今はこうやって、慌てずにベースを固めていったほうがいい。
前半の徳島もたぶん狙いは同じだったのだろうが、アルビほどうまくはいかなかったようだ。ビルドアップも少しバタついてたような。
ただその分、攻めに転じたときの意外性というか鋭さみたいなのはあって、そういう怖さは感じた。
前半は全体的にスローペース。0-0で折り返し。
思い出した、9番の嗅覚
後半も立ち上がりはゆったりとした感じ。ボール支配率はトントンくらい。
バックラインでのボール回しにはそれほど食いつかないでバランス重視。ボールを奪われたら奪い返しに行くが、どちらもボール保持を標榜しているだけあってそう簡単には獲られない。
ジリジリした展開。
徳島の小西雄大というボランチはかなり効いてたなあ。キャプテンの岩尾も「チームの心臓」という感じが出てていいけど、この日は小西。前後左右にボールを散らし血流を行き渡す。ボールだけでなく自分もいろんなところに顔を出す。球際もがんばる。アルビにとってとても怖い選手だったと思う。
両チーム選手を入れ替えて膠着状態からの打開を図る。
新潟はロメロフランク、高木善朗、矢村健を次々投入、だが攻め手を欠いた。
で、あの男に試合を決められてしまった。
河田篤秀。
一昨年、新潟のエースとしてチームを牽引した男。
その前はアルビレックス新潟シンガポールで結果を出し、「逆輸入」で新潟の一員になった男。
タイミングずらし気味の右からのクロスに、ニアで合わせるヘッド。
河田らしいゴールをビッグスワンで決められてしまった。
河田のゴールで、こんなふうにビッグスワンが沸いたことは何度もあったよな…
ゴール前での嗅覚は衰えるどころか、徳島の地で磨きがかかっていたようだ。
悔しいような懐かしいような。元カノと偶然焼肉屋で会って、こっちがただのカルビ食ってるのに向こうは上カルビだった、ときのような。不思議な感覚に包まれた。
ゴールを決めた後の河田は心なしかそんなに喜びを爆発させてないように見えた。
試合後、渡邉新太とか高木とかと絡んでるのを見てまたほっこりした。
チームを見続けてるとこういう楽しみがある。
今日はやられたけど次回はやり返そう。
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