第4節「ネジの緩みを点検し、締め直す」
ビッグスワンのスタンドに観客が入った。とても久しぶり。
プレーの合間に拍手が沸き起こる。
選手たちは励みになっただろうか。たぶんなっただろう。
このまま少しずつ、もとに戻っていくといいなと思う。
やはりサッカーは、ピッチとスタンドが一体になって創り出すものなのだ。
前節の華々しいスコア(3-5)を受けてアルベルト監督は、大きくシフトチェンジした。
私の目にその変更は、アクセルの踏み方を少し弱め、いろいろなところのネジやボルトの緩みを点検して少しずつ締め直すような、そういう繊細な内容に映った。
システムは4-4-2で変わらないが、これまでのやり方に比べるとオーソドックスなものに。
特にディフェンス時は、DFライン、中盤、前線できれいな3ラインを敷く。ここが徹底された。これまではボランチがDFラインに落ちたり、もう少し前からプレスに行って後ろを連動させたりと、もう少し流動性があった。
これをいったんやめて、まずは基本から、ルール作りを、という意識づけがなされたように感じた。
DFラインは守備重視のラインナップに。
左サイドバックにゴリゴリCB系の田上が入ったのは驚いた。これだけとっても監督はそうとう守備に気を遣った感がある。SBが上がったときの裏のスペースを気にしてのことだと思う。
右の新井を含め、SBの上がりは減ったが、その分サイドハーフがワイドから攻めるという方法がとられた。これだと攻撃のバリエーションは減るがリスクも少なくなる。左のSB田上がそれほどオーバーラップせず、ポジションをあまり外れないようにその場でボールをさばき、その前の左SH本間至恩は最初からワイドに位置をとって、ドリブルを仕掛ける、というシンプルな構図。これはこれでバランスがとれていた。本間が独力である程度攻撃を作れる、と見越しての方法論かもしれない。
ボランチはゴンサロ・ゴンザレスが外れ、島田譲が入った。気が利く左利きのアンカー。戦術の違いはあるにせよ、秋山やCB陣と連携しコミュニケーションをとりながら細かく位置調整している印象。自分がいろいろなところに顔を出して全体をオーガナイズする、というよりは、人を動かしながら、人の動きを見ながら自分の動きを決めていくタイプのように見えた。
あと小気味よくボールを回す。左利きなので、テンポを少しずつずらせる。フィットしてた。
それから前線はペドロ・マンジーが初登場。ファビオとコンビを組んだ。久しぶりの実戦で、身体は重そう。パフォーマンスはこれから上がってくるのかな。
今回は前線に動きが生まれづらくなって、DFラインとボランチの間とかで受ける人が少なくなってた気がするけど、機能してくれば、相手DFにはシンプルに脅威を与えられそう。
このように整理された3ラインを遵守し、リスクを最小限に留めると、とりあえず守備は安定する。ただ、自由や想像力というよりは規律が重んじられるので、「攻守の切替時のダイナミズム」みたいなものは若干失われる。
今後はそのバランスを探っていくことになるのだろう。
ともあれ、今季2勝目、おめでとうございます!
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