第6節「ファビオのポテンシャル」
おとなり山形をホームに迎えての第6節。ちょっと疲れが見えてたなあ。
でも無理もない。暑いし、連戦だし、観客少ないし…
試合後、アルベルト監督はちょっと怒ってたけど、まあ許してあげて欲しい。
あと、そんなに悪い内容ではなかったと思う。特に後半のまんなかくらいはすごくいいリズムになってた。
よく研究してきた山形
前半は山形ペース。よく研究してきてたように思う。
中盤のまんなかをぎゅっと締めて、スペースがほとんどないような状況にしてた。
新潟はDFラインからのボールの入れどころがなくて、たとえば配給係の秋山がいい形で前を向けない。で、高木なんかが下がってきてしまう。前のファビオとペドロマンジーは相手のDFセンターラインに張り付いてそれぞれ孤立気味、という状況。
ビルドアップの時、CBが両ワイドに開いて、その間にゴンサロゴンザレスと秋山のダブルボランチがどっちも落ちてきて4枚になる、という、珍しい光景もあった。
中盤にスペースがなかったことの証左かもしれない。
とにかく前半の新潟は、前と後ろが分断されてた。
0-1で折り返し。
それにしても山形の中盤の底、本田拓也が効いてた。35歳のベテラン。
清水で中盤を走り回ってた頃は、やんちゃで元気がありあまる若者という感じだったけど、今は頭を使って大事なとこを潰したり、気の利いたプレーをする。そして茶色いロン毛の風貌はあんまり変わっていない。
J2ではこういうベテランの格好いい姿が見られるのが素敵だ(J1でももちろん見られるけど)。
ファビオとペドロ・マンジー
この試合も、後半に蘇った。といっても、前節ほど大胆に変えてきたわけではない。
メンバー的には、左SHに本間至恩(ロメロフランク交代)投入くらい。
彼が入ると高い位置で幅を取れるので、相手のサイドプレーヤーを押し下げられる。本間がタッチライン際に張る分、新潟の中央は空くから、秋山がちょっと高い位置をとったり、高木が使ったり、FWのどちらかが落ちたりしてそのスペースを使う。バランスをうまく取れさえすれば、この方が流動的になって、相手はつかまえづらくなる。
この少しの入れ替えと、意識の変更で、新潟はペースを引き戻した。
戦況を読んでこの交代だけで流れを変えるアルベルト監督はやっぱりすごい。
ファビオがゴール前でスーパーなプレーを観せて、同点に追いつく。
ファビオは本当にフィジカルに優れてるし、両足、頭が強いし、スピードもある。顔は怖いけどポストプレーもちゃんとして味方に合わせることもする。
いいFWだ。早くもラファエル・シルバやレオナルド、古くはエジミウソンのような「引き抜かれ恐怖症」が発症しそう。
2トップを組んだペドロ・マンジーは、ファビオに比べるとどちらかというと技巧派の匂いがする。ボールの収め方、さばき方、シュートの狙い方。フィットすればおもしろい。
ただ、今の段階では、ファビオとの役割分担がはっきりしない。ふたりとも得意なプレーエリアが似てるような…
もうちょっと熟成されてくればラテンの強力2トップ完成。その下から渡邉新太が、網の目を縫うようなプレーでペナルティエリアに入っていくイメージ。
あと個人的には、元気ハツラツ、シルビーニョも絡んできて欲しい。プレーは激しいし、性格はなんか陽気そうだし。BBQやったら盛り上げてくれそうだし。
新たなオプション
最後、残り8分くらいか、FWペドロ・マンジーに代えてDF早川史哉投入、という交代があった。
同点の状況、追加点を狙いに行くタイミングで、一瞬、これは?と思ったが、すぐに納得。
右SBに早川を入れて、大本を1枚あげたのだ。
まあ、普通の交代なのだけど、これが新たなオプションの予感を醸し出してた。
左SHの本間と右SHの大本。ふたりのドリブラーが、両ワイドに張って、ウィングみたいな振る舞いをする。
これ例えばロメロと高木がSHをやるのとは考え方が異なる。
両サイド高い位置でタッチライン際に張るウィングを使うのは、例えばマンチェスター・シティとか今季の川崎Fでも分かりやすくやってるが、完成すると、めいっぱい幅を使った、無双状態の攻撃ができる時がある。
今回の交代では、中の枚数が少なくなって、少し攻撃がトーンダウンした感があったけど、可能性はあった。
ふたりのウィンガーが活きる、こういうオプションがあり得るというのは、今後楽しみな材料だ。
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