第1節「さぁスタート」
2021年のアルビレックス新潟、初陣の地は、春風吹く福岡県のミクニワールドスタジアム北九州。このスタジアムはいつも気持ちよさそう。気持ちよさそうなところで、さいこうに気持ちのいいスタートを切ることができた。
今年の顔ぶれ
アルベルト監督続投のアルビレックス新潟。ホームチームギラヴァンツ北九州も、小林伸二監督が引き続き指揮を執る。
新潟も北九州もメンバーがかなり入れ替わった。特にJ2では毎年のことなので特に驚きはないけど、チームは毎度毎度新しく作り直さないといけないから大変だと思う。ただ、ファンの側は毎年違うチームが見られるから、楽しい面もある。
アルビレックス新潟、システムは昨年同様の4-2-3-1。栄えある開幕スタメンは次の通り。
GK阿部航斗。昨年重用されていた藤田和輝を抑えての抜擢である。
DF右は新加入の藤原奏哉。北九州から移籍してきて、いきなり古巣対戦。CBは早川史哉と、戻ってきた千葉和彦!左SBに充実のキャプテン堀米悠斗。
ダブルボランチは二年目の島田譲と新加入の高宇洋のコンビ。
2列目3枚は右からロメロ・フランク、高木善朗、本間至恩とおなじみの顔ぶれ。
そして1トップに期待のエース候補、鈴木孝司。
うん。いいんじゃないでしょうか。
外国人は呼んでいない。単独突破するようなスーパーな個はいないかも。が、なんかまとまりがあって、アルベルト監督の戦術が美味しいおでんのようにしみしみ、沁み込んでいる、ような気がする。
それからサブに新加入含め楽しみな面々が入っているのも見逃せない。
うん、いいと思う。
バランス崩さず
両チームとも志向するサッカーは変わっていないように見えた。
後方から丁寧に組み立てる。ボールを大事にし、タテに急ぎすぎない。
この日のアルビは、4-2-3-1のバランスをあまり崩さないようにしていたようだった。
去年と一番違うところはここかもしれない。
例えばサイドバックがインナーラップを試みたり、ボランチが最終ラインに入って組み立てに参加したり、はたまた最前線に出ていったり、2列目が入れ替わったり、そういうぐるぐる回るようなポジション移動が控えられていたように見えた。
ポジションをずらすと、攻撃のときに相手がマークしづらくなる。これがメリット。反面、カウンターを食らったときに、いるべきところに人がいないので、穴が空いてたり、サイドチェンジで揺さぶられたり、脆さを露呈する可能性が高い。これがデメリットだった。
開幕戦に関しては、この守備面でのデメリットがかなり改善されていた。
例えば右SBの藤原はかなり積極的に出ていって、得点にも絡んだけど、わりとスタンダードなSBの攻撃参加スタイルだった。外側からのシンプルな上下動というか。
これであれば個々の選手の混乱が少ないので、カウンターを食らったときの戻り方もシンプルだし、戻りきれなかったときの穴埋めも比較的スムースなんじゃないか。
システムのバランスを崩さず、ボールを奪われたときのリスクマネジメントをちゃんとしながらボールを大事にして前進する。派手さはないけどしっかりと勝点を重ねるためのやり方。
ベテラン新戦力のフィット感
ボール保持率こそ五分五分だったものの、前半も狙い通りの展開だったんじゃないかと思うが、後半10分すぎ、鈴木孝司の勝ち越しヘッドが決まってから試合は一気にアルビペースに。
千葉の先制ヘッド、鈴木の勝ち越しゴール、新加入藤原が生んだオウンゴール、そして10番本間至恩の4点目。
とって欲しい人が全員とってくれた感。満足。満腹。
琉球で結果を出し、セレッソ大阪を経て新潟に来てくれたベテランストライカーの鈴木孝司。万能型のFWである。ゴール前での落ち着きとかエリアへの入っていき方はやっぱり秀逸だけど、ポストプレーも質高い。前線で起点になれる。彼が前にいると中盤の選手やりやすそう。
そして千葉和彦。センターバックでボールを持ったときの風格がすごい。全体を見渡して、刺すとこには刺す、簡単にはたくとこははたく(そこから動き直してまた受けたり)、サイドへの長いボールも的確、そして前が空いてたら自分で前進する。ボランチが最終ラインに入らなくて良くなったのも、彼の存在が大きいのではないか。
最前線とセンターバックに、経験豊富なこの二人が入って、しかもフィットしてるのは今季のアルビにとってかなり好材料。ベテランが輝くのはやっぱり嬉しいです。
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