第2節「籠城」
先週、アウェイで最高のスタートを切り一週間準備して迎えたホーム開幕戦。
土曜の新潟はあいにくの雨降りでけっこう寒かったが、1万人弱のファンが集まりビッグスワンは熱気に包まれていた(ことだろう)。地上波でも放送があったので、私はせっかくだからそっちで観ることにした。
結果、猛攻をしのいでの二連勝。素敵。エースが退場し、皆で心を一つにして守りきった、という構図も良かった。これでまたチームの団結が深まりそう。
アップデート
アルビレックス新潟のスタメンは、開幕節からひとり入れ替え。
GK阿部航斗、DF右から藤原奏哉、そして舞行龍ジェームズが入って、千葉和彦、堀米悠斗。ボランチは島田譲、高宇洋。2列目右からロメロフランク、高木善朗、本間至恩。1トップは鈴木孝司。
V・ファーレン長崎は、昨年最後まで昇格争いに絡んだ強者。昨年後半、37節に戦ったときはかなり強かった。中央のカイオセザールと秋野を中心に主導権を握られ続けた、イヤなイメージがある。
新潟はアルベルト体制二年目、やはりアップデートしていることが確認された。特に守備。開幕戦でもそうだったように、陣形のバランスをあまり崩さない。
ボールを失ったときにガッと奪い返しに行く切り替えはそのままに、そこを抜けられてカウンターを食らったとしても慌てない安定感が、今年はある。その要因は、やはりサイドバックのポジションどりであったり、サイドハーフの帰陣であったり、更にはボランチ二枚の縦横無尽なプレッシングとスペースの埋め方であったり。
長崎は、この試合だけをとってみればなんといういか、去年より攻撃の鋭さが減少していた気がする。アルビのディフェンスが良かったのか、長崎に迷いがあるのか。
とにかく、「行ける気がする」と、0-0で推移していてもずっと思わせてくれる前半だった。
落とされず
後半立ち上がりに動きが。
ペナルティエリア付近左角あたりの絶好の位置でフリーキックを得て、これを高木が決めた。低い弾道でゴールに向かって行ったボールが相手DFの足にあたって軌道が変わり、そのままゴールネットを揺らす。新潟、ホーム開幕戦で先制。
その後すぐ、本間至恩が二枚目のイエローで退場。そういえば去年も退場してたなあ。。去年のは若さが漏れ出ちゃった感じだったけど、今回のは同情の余地が大いにある。フルスロットルでディフェンスし、猛然とボールホルダーに襲いかかっていった結果のこと。仕方ない。
そして状況が一変。長崎が勢いづき、アルビは守勢に。前線に鈴木孝司を残し、高木を左に出して4-4-1。高木が担架で運び出されると、点取り屋でいろいろ無理もきく谷口海斗を投入。そのまま左サイドで守備のタスクも負いながら、カウンターのチャンスを虎視眈々と狙う。
その後、しんどそうな舞行龍を早川に替え、さらにロメロとDF田上をチェンジして、5-3-1とした。バランスを崩さずしっかりと守りを固める。
アルベルト監督の打ち手は素晴らしかった。そして、それに応える選手たち。
サッカーではしばしば、ゴール前に人を集めて守備を固めることを「籠城」と呼ぶ。今日の終盤のアルビは、有能な指揮官の策を全員が理解し、各々が自分の持ち場を責任を持って守り、かつ仲間と声をかけ合い、励まし、助け合いながら、全員で城を守り抜いた。すばらしい「籠城」だった。鳥屋野潟のほとりにそびえる城は、今年はそう簡単に落とされない。
よろしければどうかご感想を!
※コメントは、サイト管理者による承認後、ページに表示されます。
この記事は、感想を受け付けていません