悪夢
2019年6月のある夜、悪夢をみた。
怖い夢で、うなされて、汗だくで起きた。
それが4日間続いた翌朝、
「笑って仕事がしたい」と思うようになった。
当時の僕は、「もっと売上をあげなくては、利益を出さなくては」という強迫観念に駆られながら日々を送っていた。
数字を出し続けなくては、このキタックという歴史ある建設の会社で、僕のCGソリューションセンターという異端の部署は、存在理由を失う。
その事実に身震いしながら、目の前の仕事にしがみつき、苦闘の日々を送っていた。
その焦りと鬼気迫る表情は、当然ながらスタッフの皆にも影響を及ぼしていたに違いない。
ある人には「怖い」と言われ、ある人には「ついていけない」と言われ、ある人には「何も考えてない」と言われた。それも当然である。自分で自分を縛りつけ、人をみる余裕もなければ先を見る余裕も、当時の自分にはぜんぜんなかったのだ。
いろいろな経験をして、自分の力の限界を知った。このままでは目標も達成できないし、社会や会社にも貢献できないし、なにより仕事が楽しくない。そして部署も自分も潰れる、と思った。
まずは「楽しもう」と考えてみた。
どういう仕事が「楽しい」のか
どういう仕事が「楽しい」と、胸を張って言えるのか、自問した。
もちろん人それぞれだけど、僕は「皆でものをつくること」だと思うに至った。
「皆で」の部分が大事。
一人でものを作っても、達成感はある。達成感はあるけど、楽しくはない。僕の場合は、たぶんきっとそうなのである。
他の皆もそうなのかは、わからない。
とにかく皆でものをつくる、その過程を自分が率先して楽しめば、皆も少しずつ楽しめるようになるのではないか、と、まずは少し短絡的に考えてみる。
それで、キタックCGSCのホームページを、「皆で」リニューアルすることにした。
皆で自分たちのサイトを作って、このサイトを起点に、新たなビジネスチャンスを生み出す、という作戦に賭けることにした。

「皆で」つくるということ
2019年10月、会社の期が変わるタイミングで、部署の皆にアナウンスした。
有志を募って、プロジェクトチームを組んだ。
まずはプロジェクトチームで、このプロジェクトの進め方そのものについて話し合った。
ワークショップを何回もした。ときには全員で。
フェーズが進むにつれ、いろんな人がいろんな活躍をしてくれるようになった。
キャッチコピーや新ロゴ、ビジョンも出し合って、皆で投票した。
3人のデザイナーが、サイトデザイン、キャラクターデザイン、ロゴデザイン、人物のイラストなど、分担して仕上げてくれた。
そして新サイトでは「とんがらノート」というオウンドメディアをつくり、皆それぞれの分野で連載をすることに、意欲を燃やしてくれている。
さらには少し先のことも考えて、Twitterを本気でやって外部との接点を増やそうとしてくれたり、顧客拡大のためのLPプロジェクトを推進してくれたり、キタックCGSCのために本気で動いてくれる若手がいる。

当然といえば当然だが、とうてい自分ひとりでは作れないものが出来上がった。
皆でつくることは、すごいことなのだ、と改めて確信できた。
ぴゅう。(´ε` )
心にくちぶえ。
がぜん楽しくなってきた。
そういえば、しばらく悪夢をみていない。
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