(検索とか記憶の裏付け作業をしないで書いてます)
みなさんは、ペッチョチョチョリゲスという人を知ってますか?
正解を言ってしまうと、ペッチョチョチョリゲスは、たしか、マンガ「ついでにとんちんかん」に一瞬だけ出てきた端役です。
もうひとり、名前の長い奴とペアで登場する、敵役だったような気がします。
「ついでにとんちんかん」は、御存知の通り、ぬけさく先生とかあまち君とかが大活躍する、ジャンプで連載してたスクール系怪盗コメディ漫画です。みんなそうだと思いますが、私も子供のころ、夢中でコミックを読んだりテレビで観たりしてました。
で、ペッチョチョチョリゲス、ですよ。顔も思い出せないし、登場して何やったかとか全然わからないんですけど、なぜか、私はこの「ペッチョチョチョリゲス」という言葉だけ、ずっと覚えてるんですね。
ペッチョチョチョリゲス。
なんなんでしょうか。一緒に登場したもうひとりの奴の名前、すぐ忘れたのに、ペッチョチョチョリゲスだけ覚えてる。脳のどこかにカピカピの青のりみたいにこびりついてる。
ペッチョチョチョリゲスは、「ついでにとんちんかん」に登場して以来、私の頭の中に居座り、そしてタイミングをみて意識の上にのぼってきます。
最初の再会は大学生の時。それからというもの、痛みを知りながら大人になっていく20代、30代、ペッチョチョチョリゲスはふとしたときに浮上してきて、すてきな語のリズムからくる心地よい余韻を残して去っていきます。
ペッチョチョチョリゲスがやってくる時
大学生のとき、居酒屋でバイトしていて、同僚とおしゃべりしていたら、社員のおじさんに怒られました。
「ぺっちゃくっちゃしゃべってんじゃねえよ」
そのおじさんはなかなかの剣幕で睨んでいて、私もとても怖かったのですが、そのときです。
ペッチョチョチョリゲスが降臨してきたのです。
頭に血が上ったおじさんによる、促音を伴った「ぺっちゃくっちゃ」という語感が、幼い頃ほんの少しだけ出会った「ペッチョチョチョリゲス」を召喚してくれたようです。
ペッチョチョチョリゲスと不意の再会を果たした私は、その場の恐怖をいっとき忘れられたのでした。
それ以来、私が窮地に陥ると、「ペッチョチョチョリゲス」はやって来ます。
ペッチョチョチョリゲスが現れると、私はその場の厳しい現実を忘れ、その心地いい語感に身を委ね、しばし夢心地になれるのです。
ぴゅう。(´ε` )
みなさんの中には、みなさんにとってのペッチョチョチョリゲスが、いるでしょうか。
目の前の現実がめんどくさかったら、とりあえずペッチョチョチョリゲスを呼びましょう。そしてしばらくの間、ペッチョチョチョリゲスをいろんな角度から眺めてみましょう。どこをどうみても、それは間違いなくあなたの知ってるペッチョチョチョリゲスであるはずです。安心できるはずです。疑いのない、揺るぎない事実がそこにあるのです。
あなたの中にペッチョチョチョリゲスがいる限り、とりあえずの逃げ場はあります。そこで休息をとりましょう。
現実は自分の思う通りに行かないことがほとんどですが、ペッチョチョチョリゲスは違います。ペッチョチョチョリゲスは、昔からずっと変わらぬ姿で、あなたの中に住んでいます。あなたの思い通りの姿で、ペッチョチョチョリゲスは居るし、やって来ます。「やあ、久しぶり。大丈夫かい」
それでは良い週末を。
よろしければどうかご感想を!
※コメントは、サイト管理者による承認後、ページに表示されます。