新潟のウェブ制作会社 株式会社キタックCGソリューションセンター

しなのがわ劇場

好戦的なラー油

2021年08月01日(日)

PV 114

ある朝、ラー油が戦いを挑んできた。

「おいお前、おれと腕相撲しよう」

でもラー油は液体なので腕相撲できないから、丁重に断った。

数日後、便座カバーが戦いを挑んできた。

「ねえそこの君、僕と腕相撲しないか」

でも便座カバーはトイレ用品なので腕相撲できないから、丁重に断った。

少し後、出窓が戦いを挑んできた。

「思い出づくりに、出窓と腕相撲してみたいとは思わないか」

少し揺らいだが、なにせ出窓はインテリアなので腕相撲できないから、やはり断った。

そんなふうにして断り続けていると、もう私は一生腕相撲できないんじゃないかって、不安になる。

もう誰とでもいいから腕相撲がしたい。自分の力を試してみたいんだ。

だからドラゴンに「腕相撲させてくれ」と懇願した。

でもドラゴンは、「お前は人間だから、我々のような幻獣とは腕相撲できないよ」と言った。

そうか、断られるのはこんなにも哀しいことなのか。

私はもう断るのをやめた。今では毎日ラー油と腕相撲している。全身ベトベトだけど、こういう人生も悪くないと思える。

何が幸せで何が不幸かなんて、誰にも決められない。そう、決められないのだ!

Share プリーズ
書き手は私

よろしければどうかご感想を!

※コメントは、サイト管理者による承認後、ページに表示されます。

あたたかい感想を書く

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


キタックCGSCコアメンバー

  • 樋口大輔
  • 小林将太
  • ちゃんまき
  • 高橋どらみ
  • 高橋皓一
  • 笠井
  • 石本
  • 佐藤サバ美
  • 佐久間尭