新潟のウェブ制作会社 株式会社キタックCGソリューションセンター

広告おたすけノート

iOS14に伴う影響

2020年12月09日(水)

PV 346

お世話になっております。キタックの佐藤です。
最近のiOSアップデートにより広告業界が大きくざわついておりました。
本日は噛み砕きながら、その概要をお伝えいたします。

お?!なんだなんだ?!

これからのWEB広告のターゲティング精度が落ちるかも、って話や。

ショッキング……

iOS14で何が変わるのか

2020年現在、ユーザーの半数以上はiphoneもしくはiPadを使っています。iOSのアップデートの影響は、広告ターゲットの半数以上に影響を及ぼします。

iOS14のアップデートでは、新しいプライバシーガイドラインの導入が行われました。昨今の個人情報に対する価値観の変化やWEB上で追跡されていることに不快感を示すユーザーが多くいるため、このようなアップデートが行われたと言われています。

確かに、どのページを見ても特定の広告が追いかけてくることあるな……

他にも、「えっなんでオイラのこと知ってんの?」ってどつきたくなるくらいぴったりな広告が出ることあるやんか

けれど、そうしたWEB上の「ユーザー識別」「追跡」にストップをかけているのがAppleです。

iOSアップデートにより、IDFA(広告識別端子)の使用に制限がかかる、ITPにバウンストラッキング対策が搭載される、アプリ内WEBViewにもITPが適用されるなど色々とあるのですが、長くなりますのでこのブログでは割愛します。

「つまり」の部分だけお伝えすると、

ユーザーの識別ができないようになる

正確に言うと、まだ識別できます。しかしWEB上での「ユーザーの識別」に対する制約がどんどん厳しくなっており、2021年には今以上に特定しにくくなります。これはAppleからすでに計画が発表されておりますので、決定事項と考えてよいと思います。

これまでは?

WEB広告では、「どんなユーザーに広告を配信したいか」を選ぶことができました。ユーザーの興味関心や、サイト訪問の有無や、普段どんなサイトを閲覧しているのかなどのカテゴリから、「クライアント様のサービスに合いそうなユーザー」を狙って広告を配信することができました。

でも、それは各広告プラットフォームがユーザー識別端子などを利用し、「このユーザーはこういう分類に入る」とカテゴリ分けしてくれていたからなのです。

てことは、その識別ができなくなれば……

広告配信も狙ってできなくなるっちゅー話や。

漁に例えると、あらかじめ決められたポイントで漁をしていた船が、突然海図のデータを奪われたようなものです。私たちは地図のない海で、ゼロから漁をしなければなりません。(※イメージです)

これは広告運用会社の問題でも、広告媒体の問題でもありません。OS側の制限のため、我々ではどうすることもできない決定なのです。

どのタイプの広告に影響があるのか

特に影響があるのは以下の広告です。

  • アプリキャンペーン
  • リマーケティング広告
  • 興味関心カテゴリで設定するターゲティング広告
  • リターゲティング広告に特化した広告プラットフォーム

アプリインストールを促進したり、アプリの休眠ユーザーを狙って広告を打つ「アプリキャンペーン」や、サイト訪問者を追いかける「リマーケティング広告」は大きな影響があると言われております。

それから、「ユーザーは普段どういうサイトを見てどういう行動をしているか」の情報から成り立つ「興味関心カテゴリ」のデータ取得も厳しくなってくるでしょう。

「リターゲティング広告に特化した広告プラットフォーム」とは、ECサイト等で良く見られるタイプの広告プラットフォームのことです。ユーザーがカートに入れた商品などの情報から広告画面を自動的に作成するタイプのプラットフォームは、大きく影響を受けるのではないかと言われています。

もちろん、影響が考えられる各プラットフォームでは現在代替え手段の対策中です。

影響を受けにくい広告タイプ

  • リスティング広告
  • 顧客リスト・顧客リストの類似ターゲティングによる広告
  • 「興味関心」以外のターゲティング(地域・年齢・プレースメントなど)
  • 独自でユーザーデータを持つSNS広告(FB,insta,Twitterなど)

リスティング広告

リスティング広告はユーザーの識別による広告ではなく、検索語句によって表示している広告ですので、致命的な影響はありません。

顧客リストの登録

御社がお持ちの「顧客リスト」をプラットフォームに登録して、その顧客と類似するユーザーに広告を配信することができます。今後はこのやり方が主流になるのではないかと思っています。

興味関心以外のターゲティング

「興味関心」カテゴリは影響が考えられますが、逆に言うとその他のターゲティングは大きな影響はありません。
地域ターゲティング、年齢や性別など、その他のターゲティング方法でユーザーを設定できます。

SNS広告

「SNS広告」…そのSNS内の行動によってユーザーの特徴をカテゴライズし、同一SNS内に広告を配信する場合であれば影響は少ないと考えられます。ただ、SNS外の行動は識別しにくくなります。

実際のところ

iOS14は大きな波でしたが、プライバシーポリシーの厳格化の動きはGoogleでも以前からあったことでした。その度にデータに異常が起こるのではないかと怯えておりましたが、現在では大きなデータ変動は起こっておりません。

この記事を見て不安になった方もいると思うのですが、まずはご安心ください。

当社の対応方針

で、どうするんや

当社では以前から、ターゲティングを行う際は「興味関心」だけで設定することはありませんでした。必ず複数のアプローチでユーザーの絞り込みを行っております。
ですので、今すぐ「ピンチ!」となる広告主様はいらっしゃいません。
その点はご安心ください。

ほっ、よかった

ただ、今後は様々なリスクを考慮した上で広告配信設定を行ってまいります。

「ターゲットを徹底的に絞り込んで配信したい」
「リマーケティング広告しかやりたくない」
というお客様には、申し訳ございませんが事情をお伝えした上でターゲティングのご提案をさせていただく場合がございます。

さいごに


iOSアップデートによる規制がさらに厳しくなり、簡単にはユーザー行動が追えなくなる未来がもうすぐきます。
我々広告運用担当者は、海図を没収された中で海に出て、ターゲットのいる場所を目指さなければなりません。
その条件はどこの広告会社でも同じです。

広告運用担当者が自分で舵を握る時代が来るということは、運用担当者が真正面からマーケティング・データに向き合うことが重要になってくるということです。
これからは、運用担当者によって成果が大きく異なる時代が来るかもしれません。

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