第28節「変化のつけ方」
ミッドウィーク、ホームでのファジアーノ岡山戦。
不祥事により、チームを取り巻く状況は極めてよくない。だがそれはそれ、ゲームはゲーム。他の選手や監督、スタッフに罪はない。引き続き、ブレずに応援したい。
確立した4-2-3-1
アルビは前節からスタメン1枚だけ入れ替え。
GK小島。DF田上、マウロ、舞行龍ジェームズ、早川。ボランチ島田、福田。右MF中島、左MF本間。中央に高木、1トップに鄭大世。シルビーニョが久しぶりにベンチ入り。
有馬賢二監督率いる岡山は4-4-2。12節でやったときは苦杯をなめたんだったなぁ。
岡山は、比較的オーソドックスなサッカーを忠実にやってくる。
ボールをもったらまず最前線を見る。トライアングルをつくる。早く行くところ、ゆっくりやるところ。急ぎすぎない、幅を使う。プレッシングの人数のかけ方。ラインの上げ下げ。いろんな局面で、よく鍛えられているのが垣間見られる。シンプルなので、やることの強度が高い印象。
それに対して新潟はやや変化球なのかも。最近顕著になってきた、サイドバックの中寄りの位置取り、選手によって立ち位置や指向性が変わる(変えられる)ところなんかも、トリッキーではある。
アルベルトは型に嵌めない監督。ボールを大事にするサッカーを全体では志向し、やり方を工夫し、その上で選手に自由度を与える。
どちらがいい、悪いではなく、いろんなサッカーがあるということ。
ボール保持率は新潟が高いが、岡山の狙いがハマってる部分もある。五分五分の前半は0-0。
どうやって変化をつけるか
後半アルビは、左SBを変更。早川に代えて荻原IN。
この交代を行うことで、左サイドの攻撃手法が変わる。相手の右サイドも対応の変更を迫られるので、いい打ち手だと思う。
早川はポジショニングの妙で味方が使うスペースを空けたりパス回しにリズムをもたらしたりする。一方で荻原の特徴は推進力と左足のクロス。オーバーラップを繰り返し、高い位置から高精度のクロスを放り込む。中で待つ鄭大世は大好物だと思う(この日は実らなかったが)
左ハーフの本間至恩の動き方も変わる。早川のときは幅をとってワイドに、荻原のときは外のスペースを開けるため中寄りに立つ。
ここは一つ変化のつけどころだが、これからのアルビはこういう変化のつけ方、オプションをどれくらい持てるかが重要なのかも。
この岡山戦でもそんな感じだったが、アルビがここ数試合で見せ、確立しつつある組み立て方、つまり、サイドバックが高い位置で中よりのポジショニング、サイドハーフが幅を取る、というやり方を、相手は研究してきている。対策を練ってくる。
最初は奇をてらった斬新な作戦であっても、数試合続けることですぐに対策を講じられてしまうのが現代サッカーである。
綿密なトレーニングとミーティングで対策をとられ、封じられてしまうと今のアルビは苦しいかも。
そこで、引き出しの多さ、バリエーションが重要になってくる。
自分たちが確立したやり方に、どうやって自分たちで変化をつけられるか。今後の見どころはこういうところかもしれない。
その後もアルビは選手交代で前のポジションを積極的に動かす。ロメロ・フランクがトップ下、堀米が左サイドに入り、中島が1トップに。面白い布陣ではある。
中島は小柄だが、ポストプレーもこなせていた。シュート力もあるし、FW起用は面白い。
終盤岡山に先制ゴールを許したが、その後同点に追いつく。この辺の勝負強さ、諦めの悪さは、去年のアルビにはなかったような。
堀米のふんわりクロスをファーで田上がヘッドで合わせ、ポスト直撃で跳ね返ったところをFW中島が落ち着いて決めた。SB田上がここで絡んでくるあたりは、今のアルビサッカーのストロングポイントだ。
最後に、ここのところセットで起用されているボランチのコンビネーションはかなり熟成されてきたように感じる。役割分担があって、それが状況に応じて柔軟に入れ替えられたりする。
福田は質が高い。細かく動いて、ボールの受け手としてだいたい顔を出してくれるし、ゴール前での仕事もする。中盤での球際も効いてる。さすが、J1を渡り歩いてきた男。完全移籍というのがまた心強い。これからもよろしくおねがいします。
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