第30節「40歳の引き際」
日曜の午後、14:00キックオフの新潟 – 東京Vを観てたら、ショッキングなニュースが飛び込んできた。
川崎フロンターレ 中村憲剛の引退(今季限り)。
昨日の夜の試合では、川崎の流麗なボール回しの中心でタクトを振るうばかりか、劇的な勝ち越しゴールを上げてゲッツを決めていた男の引退。
同い年として、「もっとできる。すごい。やっぱすごい。40歳でも全然やれる」と、恐縮ながら我が身を重ねながら応援していた身としては、とても衝撃的だった。
まだやれるのになぁ。
でも、決めてたんだろうなぁ。ここで引退することを。
考えてみれば見事というほかない引き際だ。大怪我からの復帰戦でゴールを決め、40歳の誕生日に決勝点をあげた。何より今シーズンの川崎はちょっと例がないくらいの強さをみせていて、優勝がほぼ見えている。
川崎のバンディエラが去るシーズンとしては、最高なのかもしれない。
でもやはり寂しいのである。うーむ。これほどまでに引退が寂しかった選手はいたかなあ。。。
ともかく、まだ「おつかれさま」は早くて、今シーズン、ラストまで、憲剛さんのプレーを目に焼き付けさせていただきたい。インサイドに吸い付くトラップと、隙間のポイントを見つけたときの猫背のダッシュと、体全体で振り抜くシュートと…
どっしり感
さてアルビ。
前回引き分けた、永井秀樹監督率いる、名門、東京ヴェルディとのホームゲーム。
試合前のインタビューで永井監督少し元気ない。
前節は0-4で負けたと言うし、得点からも遠ざかってるそう。今のヴェルディのチーム状況は芳しくないようだ。
アルビはおなじみのスタメン。
GK小島。DF、田上、マウロ、舞行龍、早川。ボランチ島田、福田。右MF中島、左MF本間、トップ下に高木。1トップは鄭大世。
ヴェルディは、前回もボランチですごく上手くて存在感を放ってた、藤田譲瑠チマがちゃんといる。もはやチームの中心、東京Vのポゼッションを支える核となったようだ。
どちらもボールを持ちたいのは前回と同じ。前節の徳島戦はハイレベルな攻防があって、ボール保持率で久しぶりに上回られた。ポゼッション率は勝敗に直結するものではない、とは言っても、なんか悔しい。今日は上回りたい。今年のアルビはそういうところがある。
で、立ち上がり。後ろからの丁寧なビルドアップは両チーム同じだけど、ボール非保持のときの考え方が少し違った。
プレッシングを仕掛ける位置が、アルビは高く、ヴェルディはやや低め。
アルビは前から鬼気迫る勢いでガンガン行く。相手のCBにも行くし、GKにも場合によっては行く。これをするには、後ろの連動、チーム全体をコンパクトにする共通認識が不可欠。チームがディフェンス面でも熟成されてきてる証拠だと思う。
ヴェルディは、ボールを奪われたときにその場で取り返せないと、早めに帰陣してハーフウェーライン付近でブロックをセット。中盤4枚のラインを作ってスペースをきちんと埋め、攻撃の糸口を作らせない。これはある意味アルビのビルドアップ対策なのかもしれない。
ボールを持ちたいチーム同士の対決で、前からガンガン行けるアルビはとても頼もしく感じた。みんな本当はこれをやりたいんだと思う。でも勇気がいるし、連携面で難しかったりする。でも今日これがヴェルディ相手に見れたのはよかった。ポゼッション型チームとしてのどっしり感を感じたし、自信がみなぎってた。
ゴールのいいイメージ残したい
試合は、全体的にはアルビペースだったんじゃないか。ボールは持ててたし、シュートも打ててた。前述のような前からのプレッシングも効いてた。
ただ東京Vは前線に一瞬のキレ、怖さのある若手が豊富だった。さすが永井チルドレン、といったら短絡的すぎるかもしれないけど。
終盤はヴェルディが押し返してきて、怖いシーンを作り出されてた。サイドバックの裏をえぐられ悲鳴を上げた場面が何度か…
試合自体は2-2。アルビは常に先行される苦しい展開だったが、セットプレーでギリギリ追いついた。ゲームの作り自体は悪くなかったのだけど、ゴールに結びついたのがたまたまセットプレー、ということだったんだと思う。
だけど悔しいのはヴェルディが2点とも、きれいな流れで決めたこと。おそらくはやりたいことが具現化されたゴールだったこと。
1点は1点、等価だが、チームとして狙いがハマったゴールというのは成功体験としてしばらくいいイメージを残すんではなかろうか。
今年のJ2は42節まで。あと12節、まだまだある。現在5位で上を見れる位置。
ポゼッションスタイルでの風格、どっしり感も出てきたことだし、もう一つ二つ、ギアを上げていきましょう
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