第32節「鬼のプレッシング」
11月。新潟はデーゲームでも肌寒い。
4位北九州と5位新潟。勝てば順位がひっくり返る。4位に行ける。
結論から言うと、ひっくり返った。
渋くて、いい試合だった。試合巧者というか、試合運びに、なんだかいい味が出てきてる。
新井直人
アルビはいつもの4-2-3-1。GK藤田。DF右から田上、マウロ、新井、堀米。ダブルボランチに島田と福田。右MF中島、左MF本間。トップ下高木。1トップ鄭大世。
DF陣に注目。右の田上はサイドバックがすっかり板についてきた。安定のマウロ。左の堀米は前節に引き続き本職での起用。
そして新井直人。水曜の山形戦で終盤に投入され、久しぶりの出場。そして今日、スタメン復帰。楽しみ。なんで外れてたのか分からないけど、能力は間違いなく高い。
で、90分を通して、すごく良かった。スピードはあるし。出足は鋭いし対人は強いし。上背ないのに空中戦も跳ね返すし。この日のアルビで出色の出来。
サイドバックでやってたときはどちらかと言うと無尽蔵のスタミナを活かした上下動と、サイド深めに侵入してからのクロスが持ち味だったが、逆にそれがチームの方向性と合わなかったのかもな、という見方もできる。
途中からアルビはサイドバックのスタンダードなオーバーラップやクロスをあまり多用しなくなり、それに呼応して新井と荻原の出場機会は減り、堀米や大本は中盤前目で使われるようになった。
新井はセンターバックでも相当質の高いパフォーマンスを発揮できる。サイドバックでは上下動、センターバックでは対人。フィジカルモンスター。
今季のアルビはシーズン通して同じやり方では全然なくて、柔軟にやり方を変えている。それが「あっち行ったりこっち行ったり」という不安定なものではなくて、きちんとバージョンアップしてる感がある。
ここ二試合も、これまでとはなんだか違う展開を見せている。
ボール保持にどうしてもこだわると言うよりは、前線からの強力なプレッシングで相手のビルドアップを破壊する、ということに主眼をおいてる感じ。
このスタイルの変化で、また微妙に選手起用も変わってくるかもしれない。が、それに適応することで選手がまた引き出しを増やしていく。
気迫の前プレ
ギラヴァンツ北九州は前回対戦のときは首位を走っていて、勢いそのまま、かなりの強さを感じた。
今回はちょっと元気がなくなってるというか、落ち着いてきちゃったというか、そんな感じで、試合は全体的にアルビがペースを握れていた。
開始直後は北九州のプレッシングが激しかったが、アルビは落ち着いて対応。少しずつペースを握る。そして逆に気迫の前プレッシングを仕掛け始める。どちらもプレッシングの応酬になって、試合はかなりハイペースな展開に。
前半途中に福田が負傷交代。ボランチに秋山を入れるのかな、と思ったら、ロメロフランクをトップ下に投入。高木が右に出て、中島がボランチに下がった。
この交代はさすが。前節かなりよかったロメロをここで出して、前線からの圧力を増す。鄭大世とロメロの二人がガンガン追ってくるのは、北九州のDFとボランチにとってちょっとした悪夢。ここ最近のバランス(真ん中の高木、右の中島)を崩してでもこれをやったことによって、アルビはさらに勢いを増した。アルベルト監督、選手とゲームを良くみてる。
ロメロ・フランクが引っ張る形で、鄭大世も、本間も、高木も、気迫の前プレを持続させる。プレッシングからペースを握れるのはすごい。今年のアルビにまた引き出しが増えた感。
ゴールはロメロ・フランクから。ここ二試合のロメロの充実ぶりはすごいぞ。
終盤は北九州の猛攻をしのいだ。秋山がトップ下で投入され、軽やかなボールタッチがまたビッグスワンで観れたのも嬉し。
いろんな見どころが詰まったゲームだったが、勝ちきった。
J1へ、まだ諦めるような時期じゃない。
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