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アルビ日記

2021-42:vs町田 0-2

2021年12月06日(月)

PV 143

第42節「ありがとう、サヨウナラ」

アルベルト監督さいごのゲーム、勝ちたかったけど結果は出ませんでした。それでも良いサッカーは観せてくれたと思います。サッカーは難しくておもしろい。シンプルだけど複雑。いろいろと勉強させてもらった1年でした。

試合の背景

  • 今季最終戦、ビッグスワン
  • 日曜13:00キックオフ。くもり
  • 町田5位、新潟6位。新潟は勝てば5位浮上

試合ダイジェスト

【前半】
町田が前線から猛プレス。新潟のDFライン4枚+ボランチ2枚の組み立てに対し町田の前線6枚がしっかり当たりに来る。町田ペースのままゲームは推移し、前半40分にセットプレーから佐野海舟のゴールで先制。0-1で前半終了。

【後半】
新潟がビルドアップのやり方にテコ入れ。町田のプレッシングを分断するような位置関係を作りながらボールを回し、次第にペースを握る。新潟が押し込み、ノッてきたところで逆に被弾。ドゥドゥに2点目を決められる。町田は選手を入れ替えながら強度を最後まで緩めず。0-2で試合終了。

田中達也

2021シーズンの最終戦。

この試合では、2つの大きなお別れがあった。

ひとつは、レジェンド・田中達也の引退。浦和で永く活躍したあと、2013年からアルビレックス新潟を引っ張ってきた元日本代表は、今日スタメンに名を連ねた。

アルビのスタメン。

GK阿部航斗。DF藤原奏哉、千葉和彦、舞行龍ジェームズ、田上大地。MF高宇洋、福田晃斗、ロメロ・フランク、高木善朗、鈴木孝司。FW田中達也。

鈴木が左に回って最前線に田中達也。

キレのあるドリブルが見たい、思い切りの良いシュートが見たい。

相手の町田ゼルビアはポポビッチ監督のもと、着実にスタイルを固めてきている好チーム。

イメージは、「テクニシャンが走って頑張る」。

このイメージだけで「最強じゃん」と思うのだが、いや、ほんとにそんな感じなのだ。

この日も、1トップとトップ下、両サイドハーフ、それからボランチが、グイグイ走ってゴリゴリにボールを狩りに来た。特に中盤前の3枚、平戸太貴、安井拓也、吉尾海夏は全員テクニシャンで、ボールを持って違いを創るタイプに見えるのだが、走る走る、ぶつかるぶつかる。泥臭い仕事をぜんぜん厭わない。そして奪ったらもともと持っている創造性を発揮して最短距離でゴールを狙いに来る。

で、二人の若手ボランチがまた走りまくる。高江麗央と佐野海舟。この二人がぐっとポジションを上げてアルビの両ボランチを潰しに来るから、前線も思い切ってDFラインを狩りに来られるのだ。

そんなわけで、前半は全体的に町田ペースではあったのだが、そんななかでもアルビの鍛え上げられたボール保持が光る場面も多かった。前から狩りに来る町田、でもそれをうまく剥がすと、前方には広大なスペースが広がる。俗に言う「ひっくり返す」場面も、けっこうあったのだ。

そんなとき、フィールドの中央で前に向かってドリブルする田中達也の姿が観られた。ゴールに近い場所ではなかったが、ボールと一体になりながら小刻みなタッチで前に進むレジェンドの姿。このドリブルだよな。この地を這うようなドリブルが、何度もスタジアムを沸かせたんだよな。

今年は、大久保嘉人と阿部勇樹も引退を発表した。アテネ五輪の勇士たちが現役を退く。我らが田中達也もそのうちのひとり。サッカーの歴史を感じずにはいられない。

田中は前半30分すぎにピッチを去った。スタンドからは大きな拍手、両チームの選手が試合を中断して花道を作った。涙を流しながらその中を歩く田中、最後はポポビッチ監督、アルベルト監督とも抱き合って、ベンチに下がった。

こういうの、いいよな。やっぱり。

アルベルト監督

前半町田のプレスに苦しんだアルビは後半、その勢いを削ぐための策に出た。センターバックがあまり近寄りすぎず、大きく広がってボールを受ける。前半に比べ選手間の距離をやや大きめにとった。それから中長距離のボールも使い出した。

これにより、町田は二人三人四人と、数人が連動したプレッシングがやりづらくなった。距離感を広げるとパスをつなぐのは難しくなるのだけど、そこはここまで積み上げてきたものが違う。アルビの選手たちはいつなんどきでも「ボールを愛する」スタイルを維持することができるのだ。

少しずつリズムを掴んできた矢先に、アルビは失点してしまう。これは痛かった。でもサッカーはこういうものだから仕方がない。優勢点というものはないし、ゴールが全てである。

結果という意味ではゴールが全てなんだけど、今年のアルビを見ていると、違う考え方をしたくなる。

つまり、重要なのはゴールまでのプロセスなんじゃないか。最終的に入る、入らないは、もちろん実力もあるけど運の要素も大いにある。それだけに左右されたり、一喜一憂してはいけない。プロセスをしっかりみる事が大切なのだ。自分たちがやろうとしていることが、できているのか、できていないのか。できていなければ、なぜできていないのか分析して、修正する。そして信念をもってスタイルを貫く。

そういうことを教えてくれたのはアルベルト監督だった。まず信念を提示し、そこに向かってチームを作った。分析し、修正した。チームワークを強固にし、ボールと仲間を愛することを教えてくれた。

今日の大きな別れのもう一つは、アルベルト監督がチームを離れること。

今日の田中達也に対するアプローチを引き合いに出すまでもなく、愛に溢れた監督だった。

ありがとう、サヨウナラ。

J1昇格よりもっと重要なことを教わった気がします。

来年も、愛に溢れたサッカーが新潟で展開されることを願って。

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書き手は私

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  1. 名無しのサッカーファン より:

    2022 J2日程が発表されましたね。
    なんと開幕からベガルタ仙台VSアルビレックス新潟!!

    ベガサポとしては、開幕から負けられない戦いですww

    来期は、同時昇格できるといいですね。

    開幕前のj2展望やアルビ・ベガルタの開幕前チーム分析記事があったらいいなと思います。※忖度なしで。

    アルビ日記は、とても読みやすく、的確な解説なので来期も楽しみにしています。

    来年は、W杯イヤーでもあります。アルビ・ベガルタ・日本代表にとって良い一年になるといいですね!

    一年間お疲れ様でした。

    • 樋口大輔 より:

      いや〜まさかまさかの開幕カードですね 笑
      2/19が、ほんとうに今から楽しみです。
      ベガルタさんの胸をお借りします

      こちらこそ「アルビ日記」お読みいただきありがとうございました。
      来年も何卒、よろしくお願いいたします!!
      (展望記事、書けるかな…)

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