第10節「力と技」
岡山のミッチェル・デュークはかなり脅威でしたが、アルビの谷口海斗だってスーパーストライカーなわけで。後半途中、本間至恩が中央に入ってからの前線の撹乱は見事でした。
試合の背景
- 岡山ホーム・シティライトスタジアム
- 日曜14:00キックオフ。晴れ
- 新潟は上向き、3連勝を狙う。岡山は前節琉球と引き分けた
試合ダイジェスト
【前半】
序盤、岡山が前から激しくプレッシャーをかけにくる。だがそれをうまくいなしてボールを保持する新潟。12分、新潟に先制ゴール。本間至恩が左サイドで1対1を仕掛け、かわしてクロス→ファーに走り込んだ谷口が頭で合わせた。29分に岡山・Mデュークが同点弾。1-1で前半終了。
【後半】
同点ゴール以降、息を吹き返した岡山がそのまま流れをキープ。前線からのプレッシャーとカウンター時の鋭い出足。ゴール前の決定機は岡山のほうがやや多い。新潟も選手や配置を変えながら、パスワークで揺さぶる。一進一退、追加点は両者奪えずそのまま1-1で終了。
ターンオーバー
今シーズンから木山隆之監督が指揮を執る、ファジアーノ岡山との一戦。
3連勝を狙うアルビのスタメン。
GK小島享介。DF長谷川巧、田上大地、千葉和彦、堀米悠斗。MF高宇洋、島田譲、高木善朗、伊藤涼太郎、本間至恩。FW谷口海斗。
今回もスタメンを4枚入れ替えた。各ポジションで複数の選手が躍動できる。右SBは長谷川と藤原、CBは千葉、田上、舞行龍のローテ、中盤前めとFWもいろんな面々と並びを試している。
固定してるのはGK小島とダブルボランチの高&島田くらいか。
過密日程を乗り切るための選手の入れ替え、すなわち「ターンオーバー」。今季のアルビはそれほど過密日程ではないけど、松橋監督は積極的にターンオーバーしてる。
選手同士の競争意識も高まっていい緊張感が出るし、その時その時でコンディションがいい選手が使えるという利点がある。チーム作りの段階ではいろんな化学反応をテストすることができるし、一方で、戦い方のベースがしっかりしてれば誰が出ても同じようなサッカーができる、ということも言えそうだ。
それからこういうのは観る側からしても楽しい。毎回違う選手、違う組合わせが見られるから、飽きない。アルビにはまだまだいろんな選手がいる。今季まだ機会のない他の選手もゲームに絡んできたらより楽しくなる。(トーマス・デン、早川史哉、吉田陣平…)
岡山のパワーは脅威、でもアルビはぶれなかった
今日の試合は、岡山のパワーと、アルビのパスワークのたたかいだった。力と技の競演。
岡山のパワー。
2人のCBはとにかく屈強。元アルビ、188cmの柳育崇。そして言わずとしれた戦士・ヨルディ・バイス。この二人と90分間、身体をぶつけ合い続けるのは谷口も大変だったことだろう。
それから最前線のミッチェル・デューク。千葉と田上に襲いかかる猛烈なプレッシャーも含めて、身体がキレキレ、動きたくてしょうがない感じだった。同点ゴール、あれは横っ面でトラップしたのだろうか。すごかった。割とアバウトなボールを、あんなコントロールされたら、あれはちょっと止められない。その後もこのオーストラリア人は、アルビのゴール前で脅威であり続けた。
同点になってからの岡山は、パワーと推進力で、アルビゴールに襲いかかった。ちょっとアルビが怖がってる雰囲気の時間帯も、けっこうあった。でもまあ、なんとかなった。
・
ゲームはいつもどおり、アルビがコントロールできていた。ミッチェル・デュークを筆頭とする岡山のインパクト大の攻撃、ガツン!ガツン!と音がするような攻撃は、たしかに怖かった。
でもアルビはぶれなかった。前半、同点弾を食らう30分くらいまで、常に中央の差し筋をうかがいながら左右にボールを散らす、出しては戻し、引いては押す、そんなボールポゼッションが、気持ちよかった。
同点弾を食らって、後半が始まってからも岡山が攻勢。でも後半途中からアルビが息を吹き返す。本間至恩が中央に入って、高木とポジションを入れ替えながら顔を出し、岡山にボール奪取の的を絞らせなくした。これは見事で、岡山の勢いをうまく削いだ。こういうの、今のアルビは上手。「お前がここに入るなら、いったんおれはここにいるよ」が、全員でできる。
終盤、いろんな選手が投入され、その都度ピッチは活性化。藤原、舞行龍、イッペイに三戸。変幻自在のアルビワールドは、岡山の地でも展開された。
終了間際は、前に戦士を集めてきた岡山のパワーに少し圧倒され気味だったけど、勝点1は死守。こういうときの舞行龍ジェームズはほんとに心強いな。
よろしければどうかご感想を!
※コメントは、サイト管理者による承認後、ページに表示されます。