第17節「崩しに酔いしれる」
最高最高。2位横浜FCにいい所を出させず、真っ向勝負で3得点の快勝。J2の中で現時点では抜きん出てるんじゃないか、そう思わせてくれる日でした。副cap早川史哉も今季初出場、安定したプレーで無失点に貢献してくれました。
試合の背景
- 5/21 土曜14:00キックオフ。くもり
- ビッグスワン
- 新潟3位、横浜FC2位の上位対決
試合ダイジェスト
【前半】
1分経たないうちに新潟が先制。小見洋太が左サイドカットインから右足シュート、GK弾いたところを詰めていた三戸が押し込む。さらに6分、2点目。これでもかという細かい繋ぎでペナに侵入、三戸のトリッキーなラストパスを小見が受けてそのまま流し込む。2-0で前半終了。
【後半】
流れを変えたい横浜FCはシステム変更。だが55分、新潟に3点目。またしても小見。敵陣で相手DFのボールを奪い、GKをかわして倒れ込みながら決めた。新潟は余裕のある状態で構えつつ、球際でのプレスは緩めない。横浜FCは最後までリズムが掴めず。3-0で新潟が快勝。
あの崩しを見たか
ちょっと空模様がぐずぐずの新潟市。それでもビッグスワンは1万3千人の入り。素晴らしきオレンジのサポーター。
上位決戦に挑むアルビのスタメンは以下の通り。
GK小島享介。DF藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、千葉和彦、堀米悠斗。MF高宇洋、星雄次、三戸舜介、伊藤涼太郎、小見洋太。FW谷口海斗。
珍しく前節から1枚のみの変更。前節途中出場でキレを見せた小見が左サイドに入った。ベンチには吉田陣平、早川史哉も。
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開始1分満たない場面での先制ゴール。伊藤涼太郎がバイタルエリアを右から左にぬるりとドリブル。左で待ち構えていた小見にパス。余裕を持って受けた小見、中へカットイン→強烈な右足シュートを見舞う。横浜FCキーパー・ブローダーセンが弾くも、右MF三戸舜介が詰めていた。
横浜FC「え?」
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そして6分の芸術的な崩し。何本パスが回っただろうか。何本ワンタッチが入っただろうか。誰も派手なスプリントはしてないし、フィジカルで圧倒してる部分もない。皆ゆっくりと歩きながら、あるいは小走りくらいで移動している。ほんとに狭いところを、細かい繋ぎでぬるぬると抜けていく。立ち位置、リズム、タイミングの妙で切り開いた道。
最後は小見が決めた。何度でも観たいゴール。アルビはすごいチームだ。
横浜FC「まじで?」
通過点
横浜FCは今季、開幕からJ2首位を独走していて、今も2位をキープ。去年はJ1にいたし、名の知れた選手も多く在籍している(ビッグスワンに降り立つ中村俊輔もちょっと観られた)。
紛うことなき強豪である。横浜FCのサッカーにはやはりプライドが滲んでいて、自分たちでゲームを支配しようという意識が見てとれた。他のチームがやるようなアルビ対策の空気は薄い。
アルビと横浜FCは、真っ向から殴り合った。立ち位置で殴り合い、球際で殴り合った。
そして今日のところは、アルビに軍配。
横浜FCだって相当強い。
FW陣はベンチ含めて強力(小川航基、長谷川竜也、伊藤翔、サウロミネイロに渡邉千真)だし、中盤も技巧と知性にあふれた手練れ揃い(手塚康平、和田拓也、齋藤功佑)。中盤底にいた手塚のボールの受け方と右奥に放つ矢のようなロングキック、和田のパス出しのシンプルさとずらし方、齋藤の上下動。こういうのを見るだけでもおもしろかった。
でも今日はアルビに軍配。いやぁうれしい。強い横浜FCをねじ伏せた、もっと強いアルビ。
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今日のMVPは間違いなく小見洋太。3ゴール全てに絡んだし、身体もキレて、打つシュートも入る匂いがぷんぷん。小見だけでなく、2列目も3列目も、若手が台頭してきて高いレベルでチーム内での競争がある。松橋監督の力。
今日は早川史哉の初出場も嬉しいニュース。舞行龍に代わって後半アタマから右CBに入った。ディフェンスは穴がなくてビルドアップもそつがなく、安定してた。これまたDFラインに新たなオプション。
誰か一人に依存してるということがなくて、チームの総合力が上がってる。全員で勝ってるから士気も相当高そう。
「今季はイケる」という言葉を出したくなる。
でも松橋監督も選手もスタッフも、たぶんみんな冷静。
まだまだ通過点。チームも「完成形ではない」ということにしておいたほうが、このあともきっと楽しい。これからきっといろいろなことがある。全部ひっくるめて楽しみ。
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