第20節「スペイン流、文化、親近感」
ボールを激しく狩りにくる徳島、自分らの丁寧なサッカーを貫くアルビ。スペイン流の両チームがぶつかりあった好ゲームでした。天皇杯で失速したけど、連戦続き、移動長めのアウェイでこれだけのゲームを展開できたのはすごいですよね。
試合の背景
- 6/4 土曜16:00キックオフ。晴れ
- @鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム
- 新潟はリーグ戦絶好調だが直近の天皇杯で1-4の敗戦
試合ダイジェスト
【前半】
序盤は前線からのプレスとサイド攻撃で徳島にやや流れが傾く。19分徳島、左サイドから仕掛けた杉森考起が倒されにPK獲得。一美和成が決めて先制。44分に新潟が同点ゴール。押し込んだ状態で、右サイド藤原奏哉からふわりとしたクロス、ゴール前、谷口海斗が頭で合わせた。1-1で前半終了。
【後半】
球際が激しさを増していく。徳島は前線からプレスに行き、新潟のボール回しを規制。なんとかかいくぐろうとする新潟。65分すぎから両チーム立て続けに選手交代。ピッチ内は活性化するもゴールは生まれず、1-1で試合終了。
絶好調からの、ブレーキ
水曜日の天皇杯は、残念な結果だった。ロアッソ熊本に対し、ホームで1-4。
ここまでチャンスのなかった選手も含め、大幅にメンバーを入れ替えて臨んだわけだが結果が出なかった。リーグ戦絶好調からのブレーキ。サポーターも落胆したかもしれない。
ただこの1試合だけでいろんなことを判断するのは短絡的。天皇杯に出た選手がダメで、リーグ戦のメンバーが絶対、とかそういうことではない。サッカーの勝負を決める要因には、いろんな要素が含まれる。
・
天皇杯のイヤなイメージを払拭すべく乗り込んだ、「鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム」。
アルビのスタメン。
GK小島享介。DF藤原奏哉、田上大地、千葉和彦、堀米悠斗。MF高宇洋、星雄次、松田詠太郎、伊藤涼太郎、 本間至恩。FW谷口海斗。
リーグ戦でいうと前節から2枚変更(高木→伊藤、鈴木→谷口)。ダブルボランチは、現時点でのファーストチョイスは高と星のセットのようだ。
このコンビは前後のバランスがよくて、どちらも可動域が広い。やや後方で構える高の守備範囲は縦横に広く網羅的にカバーできる。2.5列目くらいに位置を取る星は、攻撃時には質の高いフリーランニングを見せ、攻めに厚みと選択肢をもたらす。
・
徳島ヴォルティスの右サイドバックに、新井直人がいた。元アルビのスーパーDF。頑強な守備と運動量は健在。アルビの左サイドがけっこう封じられていた。やっぱいい選手だなぁ。
ポヤトス監督
徳島ヴォルティスを率いるダニエル・ポヤトス監督は就任2年目。浦和に行ったリカルド・ロドリゲスの後を受けて就任した昨年、J1からの降格を味わったが今年も続投している。
リカルド・ロドリゲスと同じく若手のスペイン人監督。白いシャツがよく似合う43歳である。長くスペインのユース世代をみていたということで、我らがアルベル監督との共通点は多くありそう。
リカルド・ロドリゲスの成功を受けて、このポヤトス監督にチームの命運を託した徳島は、クラブとしての理念が固まりつつあるのかもしれない。降格したからといって、主力をがんがん引き抜かれたからといって、基本の考え方は変えない。こういうクラブがずっと残り、愛されるクラブになっていくのかもしれない。
アルビレックス新潟も、アルベル(ト)監督が吹き込んだ風を、松橋監督がしっかり継承し花開かせている。誰が出ても同じ質の高いサッカーを見せてくれている。目指すサッカーの基準がしっかりあるので、見る側は、勝敗以外でもゲームを評価できるポイントを見出しやすい。
文化を作ろうとしている点で、徳島ヴォルティスとはなんだか親近感を覚える。
・
激しい肉弾戦、ボールの支配権争いが見られた今節。
谷口海斗に久しぶりのゴールが出たことはほんとに好材料。難しい体勢、タイミングでの浮き球クロスをしっかりと捉えた。ストライカーらしいゴール。
・
1-1ドローで勝点1ゲット。ベガルタ仙台が破れてなんと首位に躍り出た。
うん、まだ、浮かれない浮かれない。
よろしければどうかご感想を!
※コメントは、サイト管理者による承認後、ページに表示されます。