第27節「ずっと攻撃し続けられるのは」
相手より数枚上回ってる、と感じさせる、なんだかオトナのゲーム運び。金沢は最後までボールの奪いどころを決められなかった感じでした。伊藤と高木の左サイドローテも2試合目、かなりうまくいってる様子。
試合の背景
- 7/16 土曜19:00キックオフ
- @石川県西部緑地公園陸上競技場
- 新潟首位、金沢は下位に沈んでいる
試合ダイジェスト
【前半】
アウェー新潟がいい入り。ボールを握り長短のパスを織り交ぜながらリズムを作る。29分に先制。右サイドを抜けた松田が中央にクロス、いったんクリアされたところを高が拾ってペナやや外から右足シュート。左隅に突き刺した。1-0で前半終了。
【後半】
後半開始早々、松田が果敢な仕掛けからPKを奪取。鈴木が決めて2-0。流れを変えようと試みる金沢、だが新潟はゲーム全体をコントロール、すきを見せない。82分新潟に3点目。ショートカウンター、左から小見が抜け出し、冷静に中央にパスを送る。受けた鈴木が左足で流し込んだ。3-0で試合終了。
北陸ダービー
3連休初日、海の日の北陸ダービー。J1では大阪ダービーもあったり、この日はたくさんの人に観に来てもらえるような熱いマッチメイクが施されていた。
アルビの恩師・柳下正明監督率いるツエーゲン金沢は、ちょっと調子悪そうだ。試合前の柳下監督のコメントからもなんとなくそれがうかがえた。
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前節、山口にアウェーで快勝した首位アルビ。
連勝を狙う本日のスタメンは、2枚変更。
GK小島享介。DF藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、田上大地、堀米悠斗。MF高宇洋、島田譲、松田詠太郎、高木善朗、伊藤涼太郎。FW鈴木孝司。
CB田上とボランチ島田がIN。前節2ゴールの鈴木孝司は今日もスタメン。谷口がベンチに入ってないのが気になる。
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今日のアルビも仕上がってる仕上がってる。ほんとに仕上がってる。
ボランチの受け方はいつもながら勇気があって絶妙、ビルドアップのコースを確実につくる。その前の伊藤涼太郎と高木善朗はポジションチェンジしながら神出鬼没に間に入ってくる。右の松田はサイドに張って幅をとりつつ、時に中へ。右サイドバックの藤原はインナーラップと外からのオーバーラップを使い分け、松田とのコンビが円熟味を増してきた。
すごいのは左SBのキャプテン堀米。左サイドに本間至恩がいた時といない今で、タスクも微妙に変わってるはずだけど、今のプレーには前以上に凄みがある。守備に攻撃にフル稼働。守備では中央のカバーリングも怠らないし、攻撃時にはどんどん前に走り抜けて、味方をフリーにさせるムダ走りをいとわない。
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いつも熱い戦いになる北陸ダービー。金沢は、今回ちょっと新潟に差をつけられた。ボールの奪いどころがなく、いい場所でいい奪い方をし、ショートカウンターでゴールに迫る、というお家芸を繰り出せない。じりじり引くしかなかった。
奪う守備
1点目は、 高宇洋の今季初ゴール。対応エリアの広さ、奪い切る対人守備、ビルドアップでの貢献度などアルビに欠かせない存在だけど、そういえばゴールがなかったのか。このゴールで更に調子が上向きそうだ。
3点目、アシストを記録した左サイドの小見に絶妙な浮き球パスを出したのも高。いつも活躍してるけど、点に絡む活躍はまた格別だろうなぁ。
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アルビがずっと攻撃し続けられるのは、パスワークの上手さだけではない。「奪う守備」というのがある。守備には「奪う守備」と「構える守備」があって、アルビはこの奪う守備をチームで連動してやり続けている。ボランチの高は「奪う守備」の第一人者だ。
もちろん相手がボールをものにして、良い展開で前進してきたら、アルビも守備陣形を整えて「構える守備」をする。
「奪う守備」が発動できる条件は、基本的に次の2つ。
- ボールを奪われた直後
- ボールにしっかりプレッシャーが掛かっている時
奪う守備は難しい。間合いを詰めなくてはいけないからかわされるリスクも大きくなる。ファウルもしやすくなる。
でもチームで連動して発動条件を見極め、効果的に奪う守備ができれば、奪われたらすぐに奪い返すことができるし、だれかのスイッチで「奪う守備」を発動できるから、守備のストレスがあまりなくなる。
以前に比べ、アルビは「構える守備」より「奪う守備」の割合がずっと大きくなった気がする。それで永くボールを保持できる。
ボールを持つときも持たないときもストレスがあまりない。それが今のアルビの強さかもしれない。
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