第29節「右サイド」
長崎エジカル・ジュニオさすがでした。特に1点目はノッてるストライカーの「ゾーン」に入ったような動きで、唸るしかなかったです。
でも勝点1をもぎ取ったアルビ。右サイド突破からの2ゴール、継続が実を結びました。
試合の背景
- 7/30 土曜19:00キックオフ
- @トランスコスモススタジアム長崎
- 新潟2位、長崎4位の上位対決
試合ダイジェスト
【前半】
14分、長崎先制。エジカルジュニオがボールを浮かせながらペナに侵入、左サイドから左足を振り抜き右隅に突き刺した。前半ロスタイムに新潟が同点に。右サイドから松田がカットイン、絶妙なタイミングで入ってきた藤原にちょこんとラストパス、最後は藤原が右足を振り抜く。1-1で折り返し。
【後半】
51分、新潟が逆転に成功。再び右からの崩し、松田が中央に折り返したところを伊藤涼太郎がワンタッチで逆サイドの鈴木へ。鈴木もワンタッチ冷静なシュートを流し込んだ。59分、エジカルジュニオのPKで長崎が同点。最終盤、長崎が猛攻、新潟はギリギリで凌ぐ展開。2-2で試合終了。
中央の固さ
ゴリゴリ順位をあげてきたVファーレン長崎。前任、松田浩監督の統制のとれた4-4-2は好きだった。が、ブラジル出身ファビオ・カリーレ監督もここまでの数字をみるに手練なんだろう。
アルビ2位、長崎4位。勝ち点差は8。負けられない。
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スタメンは前節から1枚変更(舞行龍→早川)。
GK小島享介。DF藤原奏哉、早川史哉、田上大地、堀米悠斗。MF高宇洋、島田譲、松田詠太郎、高木善朗、伊藤涼太郎。FW鈴木孝司。
ここ数試合、わりとメンバー固定気味でやってるアルビ。あえてなのか、しかたなく、なのか。
コロナの影響で、各チームかなり苦しいやりくりを余儀なくされているのは確か。例えば今節、川崎Fが控えにGKを3名入れるという珍事も起きた。
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長崎は調子のいいチームらしい、勢いをもったゲームへの入りに成功。エジカル・ジュニオが頂点にいて、その下の植中朝日が縦横のスペースに動いてボールを引き出す。
ただ、ベースにあるのはやはり守備。4-4-2の強固なブロックは、松田監督の秘伝のタレが受け継がれているのを感じる。
特に中央のブロックは固かった。4-4-2の守備ブロックがボールに対して皆で連動して動く。それぞれの選手間の距離も一定でかなり密にしており、不用意にスペースを空けない。
間で受けたいアルビの選手が顔を出す場所がない。
中に刺すパスが通しづらく、どうしてもアルビのパスルートは外からの迂回路となる。
アルビに対してはどこも対策をとってくるが、今日はまた一段と難しそうだった。
松田と藤原
エジカル・ジュニオの1点目はスーパー。上体を前に出しつつ後ろ足でボールを浮かしながらDFをかわしていく身体感覚。左足インステップでボールの真芯を正確に捉え、逆角に突き刺すシュートセンス。ブラジル人だよなぁ。
でも。アルビの2ゴールも、ゴール前のクオリティという意味では見事だった。
どちらも右サイドを突破したもの。このところ連続起用されている右ウィングの松田詠太郎と右サイドバックの藤原奏哉の呼吸、狙いどころが完ぺきに合ったのが1点目。
スルーパスに抜け出した松田の折返しから始まり、中央の伊藤涼太郎、鈴木孝司のフィニッシュまですべてワンタッチで華麗に決め切ったのが2点目。
相手の守備ブロックがどんなに強固でも、パスワークの精度とタイミングがハマれば充分点は穫れるのだ、ということを教えてくれる。
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本間至恩が抜けた左サイドは、伊藤と高木が起点を作る場所になりつつある。代わりに右サイドが今のアルビの突破エリア。松田詠太郎はそのキーマン。
個人でのドリブル打開だけでなく、今日のゴールのように味方を活かせる。タッチのリズムがよくて、状況に応じて臨機応変にプレーを変えられる。出そうと思えばいつでもパスを出せる状態にある。
1点目の藤原へのアシストは好例。自分でもいけるしパスも出せる、という状況を伺いながらのドリブルで、相手を飛び込めなくさせておいて、藤原の入ってきたタイミングをみて、ぽん、と離す。
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そして藤原奏哉のインナーラップはますます磨きがかかってきた。どうしてもダブるのは川崎Fの山根視来。幅をとって時間を作る家長昭博の目の前をガッと走ってペナに侵入し、ボールを受ければ決定的な仕事をするし、ボールが出なくても相手DFを引き連れ味方のためにスペースを作り出す。
藤原と松田のコンビはとてもよい。90分を通して「いずれはここで崩せる」という算段がおおいにあるのではなかろうか。
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