第33節「3分で決まる」
小島のPKストップ直後、伊藤のビューティフルゴール。試合の流れが変わる瞬間をはっきり見ることができました。相変わらず岩手は全員の守備意識が高くて手強かったけど、アルビのクオリティが上回った感じでしょうか。
試合の背景
- 8/27 土曜18:00キックオフ
- @いわぎんスタジアム
- 新潟2位、岩手21位
試合ダイジェスト
【前半】
多くの時間帯、新潟がボールを保持する。岩手も前線からのハイプレス、集中した守備を持続。新潟は少しずつ揺さぶりをかけるが0-0で前半折り返し。
【後半】
後半開始まもなく、岩手がカウンターからPK獲得、モレラトのの左足を新潟GK小島がストップ。その直後、新潟が先制。カウンター、島田が中央からペナ手前左で待つ伊藤へ。伊藤は中へ一歩入って、外巻きのシュートをファーに突き刺す。さらに61分、カウンターで伊藤が持ち上がり、右サイドの高木へ、高木が右足でズドン。そのまま2-0で試合終了。
ゴール前
秋田豊監督率いるいわてグルージャ盛岡は、連敗中。シーズンを通して苦しみ21位に沈んでいる。
個人的にがんばってほしいチームの一つ。だが、それはそれ。アルビにとっては重要な一戦。当然勝点3を持って帰りたい。
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アルビのスタメン。
GK小島享介。DF藤原奏哉、トーマス・デン、田上大地、堀米悠斗。MF秋山裕紀、島田譲、松田詠太郎、高木善朗、伊藤涼太郎。FW谷口海斗。
ボランチは前節から2枚とも入れ替え、2列目の3枚は久しぶりのこの並び。
トーマス・デンは3試合連続のスタメン。やっぱりいいもんな。際立つ安定感。間違った判断をしない。
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岩手はそれでも、いいサッカーをしている。前回対戦時もそうだったけど、全員が集中して守備をしていて好感が持てる。
いい守備から鋭いカウンターでゴールを狙うスタイル。攻撃は1トップのモレラトを核弾頭に、シャドーの奥山洋平とチャン・ヒョンスが絡んでくる。若干、単発になりがちではある。
岩手は集中を切らしてはいけない守備の継続と、長い距離を走るカウンター、これをやる。肝心のゴール前で息切れしてしまう可能性がなくはない。
アルビはじっくりとボールを動かし、相手を動かし、じわじわとゴール前に迫る。「ゴール前での余力」が残っているかどうか、というのは数値化できないけれども、アルビの選手は、比較的いい状態で最後の一振りができるんではなかろうか。
ビューティフル
後半3分〜6分の一連の流れが本日のハイライトだった。
まず、岩手のロングカウンターからシャドーの奥山が勢いよくペナに侵入、倒されPKゲット。これには参った。岩手の狙いがハマった瞬間。いわぎんスタジアムも盛り上がったことだろう。
だが1分後、状況は反転する。アルビの守護神・小島享介が岩手エース・モレラトのPKをストップ。それもキャッチで。完全にメンタルで食った感じはあった。いわぎんスタジアム・沈黙。
そしてさらに1分後、伊藤涼太郎の美しい得点が決まる。サッカーファンが一番好きな、逆サイドのファーに弧を描いて吸い込まれる、あの類のゴール。いわぎんスタジアム・落胆。
PKストップからビューティフルゴールまでの3分間には天国と地獄が凝縮されていて、試合を決定づけるのに充分な成分が詰まっていた。
サッカーの試合時間は90分だが、3分で決まることもある。よくある。
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その後の高木のゴールもきれい(崩しの形も、シュートの軌道も)で、それをお膳立てしたのも伊藤涼太郎。伊藤のゴール前にはなんだか華があるなぁ。
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今日のヒーローは小島享介と伊藤涼太郎、でも個人的にはトーマス・デンも見逃せないと思っている。なんだあのブレのないプレースタイルは。若いのにいい意味で老成しているというか。安心と信頼のデンちゃん。
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3位・仙台がここにきて3連敗。どうした仙台。2位アルビとの勝点差は10に。
でも、よそはよそ、うちはうち。このあとも目の前の一戦に集中するのみ。
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